💞L恋小説💞
夜の雲をこんなに見つめたことなんてなかったかもしれない。窓の外は障害物がなくて見晴らしがよかった。月の明かりが雲を照らしている。モノクロームな感じが何かのようなんだけど……
真理江ちゃんに抱きつかれながら、今さっきのキスはリセットしようと窓の外を見て気を逸らしているわたしがいる。
でも、我慢は限界をむかえそうだ。また泣きべそをかきだした真理江ちゃんの鼻とほっぺが、わたしの胸に触れて不規則に動くから少しサイズの合っていないブラがその動きにつられ乳首にエッチな刺激を与えている。止めてもらおうにもそうは言えないこの状況がもどかしくも、絶妙に快感だったりするから放置したままになっている。
心と身体は別だって、スマホでつながったどこかでそんな文字を見た記憶があるけれど、今のわたしにはそれが非常に腑に落ちる。頭では不謹慎だと思いながらも、おへその奥辺りにいる身体の芯が何かを欲していて、またしても髪を撫でるという行動にでた。
小指が耳に触れると真理江ちゃんの肩がピクっと上下した。少し間を開けて、今度は意図的に耳にさわったらさっきよりも大きく身体がビクついた。
面白いという気持ちと、嬉しいという気持ち、そしてこの先を見てみたいという好奇心が三国同盟を結んでしまった。
わたしは、真理江ちゃんの耳のクボミをなぞって、そのまま首筋に指を這わせた。またしても身体が小刻みに震える。その様子が好奇心をさらに大きく膨らませた。
「少しは落ち着いた? 大丈夫?」っていいながら顔を覗きこむと、彼女は二度頷いた。
わたしはゆっくりと顔を近づけた。真理江ちゃんが目を閉じる。月光がその顔の左半分を照らして、軽くカールしたまつげに儚げな美をさずけた。
「きれい」心の声が素直に口からこぼれた。何かを言おうとした真理江ちゃんの唇をキスでふさいだ。今度はわたしが真理江ちゃんの唇をついばんだ。
わたしの指先は彼女の胸に触れていた。膨らみの先を自分でオナニーする時みたく、もったいつけながら円を描くようになぞった。真理江ちゃんの身体がカクカクとぎこちなく揺れる。
探求心がわたしの手を彼女のTシャツの裾から中へと潜り込ませる。汗ばんだお腹の直ぐ上にあるブラジャーの縁に指先がぶつかった。そこを乗り越え上に向かうと乳首がブラの縁の近くにあった。面積の少ないハーフカップブラに違いない。既に起立しているバストトップに触れた瞬間、真理江ちゃんの膝が大きく左右に揺れた。しっかり感じていたんだね。
でも、それはわたしも同じだった。見なくても分かる。わたしの乳首もずっと硬くなったままだ。
月明かりだけのモノクロな部屋にいるのに、真理江ちゃんのほっぺが紅潮していることが分かる。
今度は激しく唇をついばんだ。舌と舌が絡まった途端に、頭から足の裏に静電気みたいなものがはしった。キスってこんなに快感だったんだ。自分でおっぱいやあそこを触ることはできてもキスは一人じゃできないもんね。誰かとして初めて分かった。
LINEの着信音がして、わたしは我に返った。香耶ちゃんからメッセージが届いたのかと思った。すぐさま、ここまでの行為をなかったことにしたくなった。でも、すぐに思い直した。香耶ちゃんだってあの女の子と……だよね。
キスを再開したけど、またLINEがきた。やっぱり香耶ちゃんかな? 急用かな? わたしどうしたらいいんだろう?
……いつの間にかキスも愛撫も止めていた。真理江ちゃんはわたしの顔を見上げている。
今度は電話がかかってきた。秋姉ちゃんからだった。
「あんた無事なの?」
「ごめん」
「無事なのね?」
「うん」
ちょっと買い物してくるとしか言ってなかったから心配させたらしい。直ぐに帰ると言って電話はきった。
ついでにさっききたLINEを確認したけど、香耶ちゃんではなかった。ホッとした自分とガッカリした自分がいるのはどういう事だろうか。ちなみにLINEもお姉ちゃんからだった。
「ごめん真理江ちゃん。ちょっとお姉ちゃんが、だから、今日は……」
「あ、うん…………」
「ホントごめん」
なんだろうこれ? 秋姉ちゃんには、友達と会ってるって言えばそれで済んだ。すぐ帰るなんて言う必要はどこにもなかった。続きに興味津々なはずなのに、どこかにホッとしている自分もいる。
ホールはちょっと蒸し暑かった。二人で並んでエレベーターのランプが九階に上がってくるのを見つめていた。
「明日、私の誕生日なんだ」
サイゼで言ってた「誕生日に戻る」とかってこの事か。真理江ちゃんは明日、家族三人でお祝いしたいっていう望みがあったんだよね。
エレベータ―のドアが開いた。少しだけためらって大袈裟な一歩を踏み出して乗った。
真理江ちゃんがちょっとだけ下唇をかんで小さく手をふった。
無性に切なくなって手首をつかんで引っ張り込んだ。そのまま抱きしめて一階に着くまでキスをした。
乗ったまま閉じかけたドアを開いて言った。
「プレゼント何が良い?」
「お祝いしてくれるの?」真理江ちゃんの顔がパッと明るくなった。
「高くないやつね」
「曖昧。じゃあ千円未満で」
「税込み?」
「うん」
押していた『開』ボタンから指をはなし、わたしだけ下りた。「明日ね」なんでか分かんないけど、背中を向けて歩きながら手を振った。
二重の自動ドアをでるとムッとした空気がまとわりついてきた。
「暑っ」言うほどじゃないけど取りあえず声にしてみた。もう一度スマホを見た。香耶ちゃんからLINEはなかった。
来た時に落ちていたお菓子の袋ゴミが緑のフェンスの下に引っかかっている。目をそらして空を見た。月は隠れてみえないけど、どこかで放ってる光が雲の形を縁取っている。
続く
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