春の夏⑨ 先輩の部屋で一人エッチ⁉
ベランダのバジルの葉っぱが虫に食べられたらしく穴が沢山あいている。無事な葉っぱを二枚ちぎってキッチンのお姉ちゃんに渡す。今夜のもう一品はトマトとモッツァレラチーズのサラダらしい。
晩御飯をテーブルの上に並べているとテレビに美和先輩が出演しているCMが流れた。地元の会社が販売している全国的にも有名な和菓子を、着物姿の先輩がこっそりつまみ食いして口の周りについたきな粉でバレちゃうという内容なんだけど、バレた後に先輩が舌をちょっと出してほほ笑む顔が国宝級に可愛い。
わたし、この人の家に行って、この人の部屋で二人きりになって、この人とキスしちゃったんだ。
性的な興奮よりも感動の方が大きくなって、わたしの上空に飛来したエロスの女神は熱帯低気圧になり、どこかに消えてしまったらしい。結局のところ先輩はオナニーのネタではなくなってしまった。いつもなら割り切れない何かを抱え込むわたしだけれど、あのキスはあくまで演技だって、偶数を二で割るくらいのレベルで割りきっている。
食べ終わった食器を洗って片付けていたら美和先輩から電話がかかってきた。
オーディションが終わって、いま帰宅してベランダにでたそうだ。
「無事に終わったよー。一番に報告しようと思って電話しちゃった」
一番にっていうのが、なんかずるい。特別感が織り込まれている。
間髪入れずに先輩の声がする。「でね。空を見てるんだけど、改めて水墨画っぽいなと思ってさ」そして、『これだよ』っていう言葉と一緒に夜の雲の画像が送られてきた。
わたしは同じ空を見たくなった。
「ちょっと待ってて下さい!」
マンションの外階段を駆け上って屋上に行ってみた。最上階の踊り場には柵があったけど太腿までの高さだったから簡単に乗り越えられた。
二階高いだけで部屋のベランダとは景色が全然違う。障害物のない空を見上げて同じ雲を探してみる。送ってくれた画像と同じ空を見つけた。わたしは今、美和先輩と同じ空を見つめている。
「見えました! 送ってくれたのと同じ空」
月光に縁取られた雲がなんて芸術的なんだろう。
スマホ越しに聞こえる先輩のクスクス笑う声が心地いい。
家に戻ると秋姉ちゃんから「青春してるのか?」って言われたから「そうだよ」って返しておいた。
スマホを開いて先輩が送ってくれた画像をダウンロードした。空っぽだったアルバムフォルダに二年ぶりに写真が保存された。
また風景とか撮ってみようかな。夜空だけ撮るのもいいかもしれないな。なんだか和やかに前向きになったわたしがいる。
そして、翌日の夕方、美和先輩の家に向かうバスにわたしは乗っている。隣の座席にはバイト先で作ったピザとお泊りセットが入ったカバンが置いてある。そう、今夜、先輩の部屋で女子トークをするのだ。
バス停には先輩が待ち構えていた。白いシュシュで束ねたポニーテール。黒のスキニーパンツに白のポロシャツ。バスから降りると軽く抱きつかれ「会いたかったよー」って言われた。わたしの人生の中でこんなに人から歓迎されたことがあっただろうか? 先輩の髪が鼻先をかすめる。柑橘系の香りがくすぐったい。
先輩のお母さんは今回も物腰やわらかく迎えてくれた。ピザを渡すと「次からは手ぶらできてね」って言われた。
『手ぶら』って言葉じゃなくて『次から』って言葉がすこぶるうれしかった。
部屋に入ると先輩が小さな紙の包みを差し出した。東京のお土産だそうだ。中には黒いシュシュが入っていた。
「これと色違い」先輩が首をかしげてポニーテールを見せる。その場でわたしも付けてみた。
アイスティーを持ってきたおばさんが「仲良し姉妹みたいね」って言った。
「でしょー」と言って腕を絡めてきた先輩の胸がわたしの肘に当たる……。
エロスの女神がお出ましになっちゃうかもしれない。
気をつかっちゃうだろうからって、ご飯はこの部屋で二人で食べた。恐縮したけれどシャワーも使わせてもらった。広くて綺麗なバスルームだった。
部屋に戻ると先輩がクローゼットからパジャマを持ってきて言った。
「きつくない? ブラジャー?」
Tシャツから透けていた。
「これ着て楽にしてね」
お礼を言って受け取った。
先輩はシャワーを浴びに行った。部屋には誰もいないのに、クローゼットスペースに入った。パジャマに顔を埋めてみる。やっぱり柑橘系の良い匂いがする。
いつもは先輩の姿を写している鏡にパンティだけのわたしの姿を写してみる。
弾力のある胸の感触が肘に残っている。反対の掌で肘をさすりながら胸に触れてみる。 乳首はあっという間に立ってしまった。
パンティの上からあそこに指をあてる。既に奥が熱くなっている。先輩の部屋でいけない事をしている自分に興奮している。
布の上からクリを擦る。下から上へ引っかけるように。左手で乳首を摘まむように揉んでみる。先輩の部屋でいけない事をしている背徳感がたまらない。声がでちゃいそう。
性的な気持ち良さがじんわりと浸透するように身体に広がっていく。わたしのアソコが濡れてきたことが分かる。
でも、万が一……ないことは分かっているから、あくまでも万が一、先輩とエッチすることになってわたしのパンティが汚れていたら……。
あり得ない可能性が邪魔をする。でも、もう遅いかも。パンティの上からでも分かる。じんわりとエッチなお汁が沁みだしてきている。家でする時よりも量が多い。
ここまできたら取り合えずイッちゃおう。両手の動きを速めて乳首とクリに強い刺激を送る。出そうになる声を必死で飲み込む。そんな状況が余計に興奮をかきたてる。
その時だった、微かにスリッパの足音がした。わたしは慌ててパジャマのズボンをはいた。
ドアノブに手を掛ける音がした。
パジャマの上を羽織るのが精いっぱいだった。しかもクローゼットにいるって変に思われる。こんな姿を見たら先輩はどう思うだろう? パジャマを渡されてから先輩が戻ってくるまでの空白の時間。こんな姿でクーロゼットにいたら……。
言い逃れができない。
続く
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