眩暈の原因はエッチ 💞L恋小説 春の晩夏35💞

L恋小説

💞L恋小説 春の晩夏35💞 眩暈の原因はエッチ

 瑞希ちゃんと入れ替わりでシャワーを浴びて、体力が続く限り性欲を満たし合った。体育は苦手だけど女の子とのエッチなら5をもらえる自信があるわたしです。

 次の日はちょっと早めに起きた。明け方までエッチをしていたから寝不足だ。
 瑞希ちゃんは朝からしっかり食べる派。納豆に焼き鮭、お味噌汁にご飯。完璧な和の食卓。わたしもそれなりに食べる人だけど、実は納豆が大の苦手で、匂いだけで食欲が無くなる。家なら文句も言えるけど、ここは黙って我慢する。お味噌汁だけでも飲むように言われたけど、ミネラルウォーターだけ口にしてしのいだ。
 わたし達は、これから文化祭の片付けに行く。一般の人が出した屋台なんかも大学生が手伝って撤収するそうだ。わたしも貢献するとしよう。

 大学には瑞希ちゃんの軽トラックで向かった。
 清楚系とは言い難くなるけど、スキニーパンツとTシャツの上に長袖のシャツを着てウィッグの上から麦わら帽子を被った。それでも普段のわたしっぽさは感じない。気が付いた香耶ちゃんと美和先輩は偉大だと思う。

 それにしても今日も暑い。大学に着いたのは午前9時になっていないのに夏と変わらない気温と紫外線量だ。トラックから降りて直ぐに汗が滲んだ。
 昨日、見て回る余裕のなかった人達がまだ片付けていない展示物を観ていたりして、和やかでまったりしていた。
 わたしは一般の人の出店で使っていた物の箱詰めを、瑞希ちゃんたち体育会系女子は重そうな物をトラックの荷台に積むのを手伝った。
 長い鉄パイプを何本も担ぐレスリング女子の人の脚が凄い。ふざけた瑞希ちゃんがその人の太ももを両手でつかんだ後にわたしのウエストを掴むと目を丸くして「こっちの方が細い」とか言って笑った。
 宮下農園の出店はまだそのまま残っていた。これから香耶ちゃんが片付けにくるかもしれない。明日約束をしているのにその前に顔を合わせるのはちょっと気まずい。
 すると香耶ちゃんの親戚の女の人が校舎から出てきた。目が合うと一瞬立ち止まって唇を二度歪めた。昨日は睨まれた。わたしの事を良く思っていないことがモロに伝わってくる。仕方ないのかもしれない。明日、香耶ちゃんにこの人のこと、さり気なく聞いてみよう。
 立ち上がった瞬間に眩暈がして頭の中の血管が何度も膨らんで強く脈打った。身体がちゃんと歩いてくれない。何歩か進んでわたしはしゃがみ込んだ。
 香耶ちゃんの親戚の人が駆けてきた。
 「ちょっと大丈夫?」
 「すいません。平気です」
 立ち上がろうとしたらふらついてまたしゃがみ込んだ。意識はあるけど意思が身体に上手く伝わらない。
 「カノジョさーん!」
 瑞希ちゃんを呼んだみたいだ。聞き覚えのある駆け足の音が近づいてきた。
 「春ちゃん! 大丈夫ですか?」
 大きな声が動揺している。
 「うん。大丈夫」
 「いや、さっきそう言って立ち上がってふらついてしゃがんだから」
 「そうでしたか。情報ありがとうございます」
 次の瞬間、身体が浮いた。わたしは瑞希ちゃんにお姫様抱っこされた。キュンてする余裕は残念ながらなかった。
 「今日は医務室休み」とか「救急車呼ぶ?」とかいう声が聞こえる。
 「ありがとうございます。ひと先ず様子をみたいと思います」
 校舎に入ってロビーみたいなところの長椅子に横たえられた。
 「瑞希ちゃん、大丈夫だから、ちょっと立ち眩みしただけ」
 「取り合えずウィッグ外します」
 バチンって音がして頭が蒸れから解放された。誰かが貸してくれたらしいハンディファンの風が丸出しのおでこに直撃する。他の誰かが買ってきてくれたペットボトルが両の頬と首筋に当てられた。
 「軽い熱中症もあるようです。無理矢理にでも朝食を食べてもらうべきでした」
 瑞希ちゃんがスポーツドリンクのキャップを外してわたしの口元に持ってきた。飲んだ瞬間から足りなかったものが身体中に行き渡っていく感覚がした。大袈裟に言って生き返った。
 「瑞希ちゃん、もう大丈夫だよ」
 「春ちゃん、やはり病院にいきましょう。先日も駅前で座り込んでいましたし」
 わたしは瑞希ちゃんの耳に口を近づけてささやいた。
 「この前も今日もエッチが原因だからね。朝方まで終わらないんだもん。ただの寝不足だよ」
 「もう、春ちゃんのエッチ」
 何か音がした方を見たら香耶ちゃんの親戚の人と目が合った。わたしの麦わら帽子を手にして立っていた。
 「ありがとうございます」
 瑞希ちゃんが受け取って二人で頭をさげた。意外と良い人なのかもしれない。

 皆が気遣ってくれて瑞希ちゃんとわたしは午前中で引き上げた。
 身体の調子は大丈夫。ただの寝不足からくる貧血だ。涼しい所で少し寝て復活した。
 瑞希ちゃんの部屋に戻って、差し入れのお弁当を広げた。食欲旺盛。綺麗に食べ終えた。
 瑞希ちゃんが、「嫌でなかったら」と大きな茶封筒を差し出した。ヒモでクルクル閉じる重要書類が入っているようなやつだ。
 中から出てきたのは、クリアファイルに挟まれたわたしが歩いて行く後ろ姿の版画だった。でも、展示してあったものとは色使いが違う。暗い背景は明るく、雨のはずの斜線は日の光になってわたしに降り注いでいる。
 「わぁー」思わず声がでた。
 「初めはこちらを刷ったのですが、嘘をついている気がしてしまって、雨のものにしたのです」
 「こっち、希望が感じられる」
 「原板は同じなのですが、色の力ってすごいですね。春ちゃんの髪と同じで色が違うだけで印象が全くと言っていいほどに違います」
 見ているとじわっと暖かくなる。瑞希ちゃんが、光が照らす方に導いてくれる気がする。あの時の嫌な記憶がきれいに上書きされた。
 「マジでこれすごい嬉しい。ありがとう。家宝にする」
 「春ちゃん、大袈裟です」
 瑞希ちゃんがめちゃほほ笑んだ。

 そして火曜日のお昼。
 お弁当を持って香耶ちゃんとルービックキュー部の部屋に向かった。今日こそ、ちゃんとお話しをするつもりだ。
 「ねえ、ちょっと待って」
 部室の近くで呼び止められた。京佳ちゃんが大きなお弁当を手に早歩きで寄ってきた。
 なんでこう邪魔するかな――。
 「私も一緒させて」
 「ごめん。香耶ちゃんと大事な話がある」
 「私の方が緊急性が高いんだけど」
 力のこもった目で見つめられた。京佳ちゃんは引きそうになかった。
 「春ちゃん、じゃあ私は今度で」
 「あなたも居て。全部分かってるんだよね?」
 これって何のことを言ってるんだろう。なんか嫌な予感がする……。

続く

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※ 画像と記事は関係ありません。画像はAIアプリを使って生成したものです。